林田明大先生著 渋沢栄一と陽明学 「日本近代化の父」の人生と経営哲学を支えた学問 ワニブックスPLUS新書

最終更新日

渋沢栄一

林田明大先生

林田明大先生と知遇を得たのは10年以上前のことである。
知己を通じてご紹介頂き、幾度か勉強会へ参加させていただいたり、お酒の席をご一緒させて頂いたこともある。

その林田明大先生の新著、 渋沢栄一と陽明学 「日本近代化の父」の人生と経営哲学を支えた学問 が発売となり拝読させて頂いた。

渋沢栄一と陽明学を取り巻く人々

表題の通り、この書籍には渋沢栄一氏と陽明学の関係について書かれている。

渋沢栄一氏といえば「論語と算盤」のキャッチフレーズが有名であるが、渋沢栄一氏は孔子の言行を弟子達がまとめた論語の精神を体現し大切にしていた。

しかし、論語の儒教の進化系である陽明学と渋沢栄一氏の繋がりについて研究された書籍はなかなか無かった。

また、渋沢栄一氏の陽明学との出会いや繋がりに関わる菊池菊城や尾高惇忠、他、井上馨、三島中洲、蓮沼門三、東敬治との関わりについても本書には書かれている。

本書にも書かれているが、大東亜戦争の後、左傾化したマスコミや教育界によって陽明学は冷遇されることとなる。

その中で渋沢栄一氏は忘れ去られた存在となりつつあった。
いや、彼の功績のみに対して注目するが、それを支えた精神性の部分で論語のみに注目し、陽明学に関する部分だけを除いた形で紹介される様になったと言う方が正しいかもしれない。

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陽明学に対する誤解

陽明学を信奉する人物は、革命的思想を持ち合わせていると評される事があるが、それは間違いである。

それは結果論であって、大事を成し遂げたり、練られた人物が修養していたのが陽明学であったという方が合っていると思う。

色眼鏡をかけず、他の学問や哲学同様の視点で原著にあたるか、林田明大先生の 新装版・真説「陽明学」入門 (ワニプラス) をご覧頂ければ、納得いただけるはずである。

どのような思想・学問であっても、異説と感じる立場からすれば批判の対象となりうるもので、それを善用する立場からすれば、批判している側にも同じ様な批判を向けることができる。

しかし、批判することが目的化し、本質を解ろうとすることを止めれば、持説の深化すら危うい。

陽明学をよく知らない方も、まずは触れてみることで自分の持説にどんな変化をもたらすのか試してみることも良いのではないだろうか。

その一歩として、林田明夫先生の著書を読まれることをお薦めする次第である。

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