「機を活かす」 照心語録 安岡正篤 自ら反るより

機を活かす
学問・求道では特に心を活かすということが大切だ。
これを機慧とも敏慧ともいう。
単なる論理的頭脳ではなく、活きて心が閃く、機をとらえて活かすことだ。
孔子もしばしば論語に”敏”ということを説いている。
心が敏感でなくては機を捉える事はできないと思う。
心が敏感というのは、鬱状態やマンネリ状態の逆で、
好奇心旺盛で安定感のある状態だ。
学問において機慧というのは、全く別の書物や分野から、
想像もつかぬ共通点を見いだしたり、
今ある考え方を発展させた論を閃いたりすることだ。
求道におけるものは、弓を射るにも、面をとるのも、一服入れるのも、
無心になり、欲望から離れたところで行動を起こせる境地に達することだ。
この境地まで達する事が出来れば、達人の領域に踏み入れられる。
そして、物事を行うからには、それくらいの気持ちで取り組まねば、
その物事に対して、そして、それを真剣に行う人々に失礼だと思う。
商いにも機慧が存在するはずで、本業であれば本気で取り組まぬわけにはいかない。
2008-10-20の記事を再掲載
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